新世代バンド「緑黄色社会」が奏でるポップで鮮烈な音楽のルーツとは

”耳が早い”音楽ファンならば今年旋風を巻き起こしそうな、「リョクシャカ」の愛称で注目を集めるバンドをご存知だろう。平均年齢若干20歳、そのバンド名の通り、日々の生活に必要な栄養を与えてくれそうなポップで鮮烈な音を鳴らす彼女ら、「緑黄色社会」というバンドのルーツに迫ってみた。

長屋晴子 from 緑黄色社会(Vo) ‘s Select

長屋晴子_photo

大塚愛

大塚愛_profile

出典:Official Site

思えば、初めて買ったCDも、人前で歌を歌いたいと思うようになったきっかけも、大塚愛さんでした。
小学生の頃、大塚愛さんの「さくらんぼ」が学校でも流行っていて、おじいちゃんにもらったお小遣いを握りしめ、近所に新しくできたCDショップに行き、ドキドキしながら大塚愛さんのCDをレジへと持っていったこと、今でも鮮明に覚えています。

楽曲や声の可愛さはもちろん、等身大で無邪気でユニークな歌詞や表現に惹かれ、当時はもう本当に虜でした。
歌詞の意味さえ、当時はきちんと理解できていなかったはずなのに、必死に歌詞カードを見て、紙がぼろぼろになるまで歌詞を覚えて、家の中で大声を出して歌っていました。

「シンガーソングライター」という言葉を知ったのも、大塚愛さんがきっかけだったと思います。それまではお花屋さんになりたいと言っていたのに、その言葉を知ってから、シンガーソングライターになりたいなんて言っていました。今はバンドで歌っているんですけどね。

さくらんぼ / 大塚愛

愛 am BEST

いきものがかり

いきものがかり_profile

出典:Official Site

小学生の頃、弟と一緒になって見ていた「おおきく振りかぶって」という野球を題材にしたアニメの主題歌をいきものがかりさんが歌っていました。

なんてのびのびと気持ちよさそうに歌うのだろう、と魅了され、すぐにCDを買いに行きました。
物心ついた頃から、歌を歌うということが気持ち良くて、楽しくて仕方がなかった私にとって、ボーカルの吉岡聖恵さんの歌い方は、私の理想そのものでした。吉岡聖恵さんの声がいきものがかりのメロディに乗って聞こえてくる音楽が、そしてそれを歌うことが気持ちよくて。
当時、家族や友達とよくカラオケに行っていたのですが、私が歌う曲はほとんどいきものがかりさんの楽曲でした。

いきものがかりさんをきっかけに、歌を歌うのはシンガーソングライターだけじゃない、グループでも歌えるんだという、当たり前なのになぜか気づいていなかった事実に気づき、グループへの憧れを抱きはじめました。

超いきものばかり~てんねん記念メンバーズBESTセレクション

チャットモンチー

チャットモンチー_profile

出典:Official Site

中学生の頃、たまたま「シャングリラ」のMVを目にしました。
それまでバンドの音楽に触れてはきていなかったのですが、甘い声とは裏腹に鋭く刺さる歌詞に一瞬にして心を奪われました。
女性ボーカルに”かっこいい”という感情を抱いたのはこれが初めてだったかもしれません。そして、おそらくこれがロック / バンドとの出会いでした。

ボーカルの橋本絵莉子さんは、ルックスも声もとても可愛らしいのに、歌声には強さが感じられる。
そのギャップが当時の私にとっては今までに感じた事のないもので、可愛らしさと強さの共存というのは今でも私の憧れであり、テーマでもあります。

遠くを見つめているというより、今を歌ったリアルな歌詞が、グサグサと心に刺さって、ズルズルと世界に引き込まれていく。
そんなチャットモンチーさんの創り出す音楽が、とにかく大好きでした。
出会えてよかった。そう思える素敵なバンドです。

シャングリラ / チャットモンチー

チャットモンチー BEST~2005-2011

小林壱誓 from 緑黄色社会(Gt & Cho) ‘s Select

小林壱誓_photo

YUI

YUI_profile

出典:Official Site

中学2年の夏本番を目前に控えた頃。大して仲の良くないクラスメイトと自転車で近くのボーリング場まで行った。
誘いは断らない円の中の人間だったから、「暑い中なぜ彼らと…」なんて言い出すこともできず、億劫に思いながらついていったのを覚えている。

使われていないレーンの液晶では音楽のケーブルチャンネルが映し出されていて、そこに現れたのがYUIだった。
古そうな空調の音、場内放送、笑い声、ピンがぶつかり合う音、音楽なんてこれっぽっちも聴こえないのに、赤いストラトキャスターを持った一人に釘付けになった。
アーティスト名と曲名だけを控え、家に帰り調べてみた。

そこから一年はYUIの曲しか聴いてないかもしれない。大袈裟だが、それくらいに没入した。
初めて買ったギターもスターターセットの安物ではあるが、「again」のMVと同じ赤のストラトだった。
今思うと少し気持ち悪い。けど、ピュアに好きだった。
自分から出てくるメロや言葉のはめ方には少なからず影響しているんだろうなと思う。ありがとう、YUIさん。

again / YUI

again(初回生産限定盤)

the unknown forecast

the unknown forecast_profile

出典:Official Site

高校に入学してメンバーと出会い、漠然と夢を持ってバンドを始めた。入学当初は何を目指しているのかも分からないまま、ただ眩しい日々を過ごしていたと思う。

そんな時、二つ上の先輩バンドが大会に出ると知った。そのバンドこそが「the unknown forecast」。
そしてそのボーカル幡野さんが高校の先輩。

僕ら後輩は半分ファンになって応援。すると彼らは、あまりにも多い応募の中から最終選考の数組に残った。
自分の周りの人には、こんなすごい先輩がいるんだと言いふらした。歌い方なんかも真似した。
そんなことをして過ごしていると、いつの間にか自分たちもその大会で結果を残すことが「目標」になっていた。

でも「目的」ではなかった。その先の景色を見たいと思った。
今の僕たちがあるのは、きっと先輩のおかげで今までもこれからもリスペクトは止まない。
出会いの大切さを教えてくれた、格好いいバンドだ。

E / the unknown forecast

ミッション:8ミニッツ / 原題: Source Code

ミッション:8ミニッツ

出典:Official Site

高校2年の春だったか。よく行くGEOで借りたサスペンス映画。
公開は2011年、監督はダンカン・ジョーンズ。
当時「ファンタスティック・フォー」とか「マスク」とかその類の洋画が大好きだった坊やにサスペンス中毒への窓口を担ってくれた、きっかけの一本。

列車爆破テロの犯人を見つけるべく、特殊な技術で犠牲者の意識の中に入り、列車爆発前の8分間を何度も追体験するという内容。
鑑賞前ネタバレ注意のどんでん返しにまんまとしてやられ、同時に、自分が誰かに味わってもらいたいのはこの感覚だとその時思った。

僕はこの頃からちょうど曲を書き始めたせいで、歌詞にはストーリー性を求めたし、曲にはどんでん返しを用意したがった。
今でこそ作り方も考え方も違うけれど、失くしたくない感覚の一つとして大切にしている。
一本通して観てもらえば分かる。主演のジェイク・ギレンホールの表情筋はきっと柔らかくて質のいいことだろう。

今も彼の作品が出ると必ずチェックする。サスペンス映画に親しんでこなかった人には、この映画を入り口として是非オススメしたい。

映画『ミッション:8ミニッツ』特報

peppe from 緑黄色社会(Key & Cho) ‘s Select

PEPPE_photo

A-ha

Aha_profile

出典:Official Site

A-haといえば「Take On Me」ですが、私が洋楽で初めて惹かれたのがこの曲です。
小学生だった頃、母と車に乗っては必ずかけていました。
ただただ衝撃の一曲で、当時のあたしには神様に思えました。

シンセの独特のフレーズと音色とボーカルが出す高い声にどっぷりはまっていましたね。身体に染みついている一曲です。
2サビ後の間奏を、どうやって弾いているのだろう、、、すごすぎる、、、!っていつも不思議でたまらなくて、
真似したりもしていましたが指が全然追いつけなくて悔しかったのを覚えています。笑”

Take On Me / A-ha

Backstreet Boys

Backstreet Boys_profile

出典:Official Site

Backstreet Boysも小学生の頃から好きで好きでかなり聞き込みました。
車や家の中やとにかく日常でどこでもかかっていて自然とずーっと聴いていました。

歌詞も聞き取りやすく、キャッチーなメロディーへの歌詞の乗せ方だったり曲が盛り上がるところのアレンジとか聴くたび心惹かれます。

「Shape Of My Heart」「I Want It That Way」「Show Me The Meaning Of Being Lonely」などの昔の曲はもちろん、わりと最近の「In a World Like This」「light on」などは完全に私好みの楽曲です。
思い返してみればBackstreet Boysはかなり自分のルーツになっています!

I Want It That Way / Backstreet Boys

Taylor Swift

Taylor Swift_profile

出典:Official Site

高校生の頃、ビビビときてしまったテイラーのアルバム「Red」。
CDショップで運命の出会いを果たしてからというものもうずっと彼女の虜です。

楽曲はもちろん、音楽に向き合う姿勢なども本当に尊敬しているアーティストです。有名な曲はいくつかありますが、アルバムに入っているメインではない曲にも魅力がたくさんつまっていて、サビのキャッチーさにはいつも驚かされますし、とても影響されています。

特に、自分たちのアルバムに入る曲には色んな色や表情をもたせたい、という気持ちが強くなったのは、彼女のアルバムを聴いてからのことです。
是非アルバムを通して聴いていただきたいです。

I Knew You Were Trouble / Taylor Swift

穴見真吾 from 緑黄色社会(Ba & Cho) ‘s Select

穴見真吾_photo

Red Hot Chili Peppers

Red Hot Chili Peppers_profile

出典:Official Site

ベースを弾くにあたって最も影響を受けた人はRed Hot Chili Peppersのベーシスト”Flea”です。
中学2年生の時にYoutubeで音楽を漁っていたら彼等が関連動画に出てきました。
面白い名前だな~!と思って見た『By the way』のLIVE映像で心に電流が走りました笑”

それもあって中学の頃は、かっこいい=”Fleaのベース”みたいな感じになっててとにかく強めのタッチで、とにかく激しく頭を振ってベースを弾いてました、、笑

それから彼等の影響で、洋楽のロックやソウルミュージックを聴き始めるようになって。それらが今のベースプレイに広がりを持たせてくれました。僕の音楽的ルーツは紛れもなく”レッチリ”です。

By The Way / Red Hot Chili Peppers

新世紀エヴァンゲリオン

新世紀エヴァンゲリオン

出典:NHK

これまでに見た映像作品で最も好きなものが、「新世紀エヴァンゲリオン」略して”エヴァ”。
出会いは中学校の頃、友達に薦められて見ました。しかし俗に言うオタクっぽい、という言われ方をしていたりと当時の僕には漠然と抵抗がありました。

だけど一話を見たら、主人公のシンジにどこか共感してしまって。気がついたら最後まで観てました。
外見はSFアニメだけど、中身は人間ドラマ。キャラクター1人1人の人間性や特徴が立ってて、誰もが共感してしまう”名ゼリフ”がたくさん詰まってるんです。

“逃げちゃダメだ。”(碇シンジ)
“奇跡を待つより、捨て身の努力よ。”(葛城ミサト)
“つらいことを知ってる人間の方が、それだけ人に優しくできる。それは弱さとは違う。”(加持リョウジ)

“エヴァ”は、自分が精神的な面でかなり影響を受けた作品です

桜流し / 宇多田ヒカル

岡本太郎

岡本太郎_profile

出典:Official Site

『芸術は爆発だ』で御馴染みの岡本太郎ですが、とにかく主張が激しくて好きなんです。笑”
岡本太郎との出会いは小学校の頃で、愛知万博に行った時に立ち寄った、大阪万博コーナーで見た『太陽の塔』でした。

まずは作品。どれだけ遠くから見ても一目で彼の作品だとわかるようなものばかりで、一度見たら目が離せなくなる。
彼の作品には、言葉では表せない凄まじいパワーを感じるんです。
特に好きな作品は「明日の神話」「天に舞う」
そして彼の精神。彼が残していった数々の名言にいつも背中を押されています。

芸術に対する彼の勇姿が、今僕が前に進む原動力になっていると言っても過言ではないです。

“いいかい、怖かったら怖いほど、逆にそこに飛び込むんだ。”
“むしろ「成功は失敗のもと」と逆に言いたい。その方が、この人生の面白さを正確に言いあてている。”

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私たちが影響を受けてきたそれぞれのカルチャーが、作る音楽にどう反映されているかは自分たちでも分からないことがある。
それでも、出来上がる楽曲にはまとまった力があり、はっきりとした色が生まれているように感じる。

2017年に入りバンド初の全国流通となるミニアルバム『Nice To Meet You??』をリリースし、4月7日には初となるワンマンライブも控えているなかで、私たちは更にその先の景色を見据えながら、今を強く刻んでいきたい。

from 緑黄色社会

緑黄色社会_LIVE

 

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緑黄色社会とは

緑黄色社会_artistphoto

2012年活動開始。
Vocal長屋晴子の力強く透明で時に愛らしい独特な歌声、キーボードpeppeの型にはまらないフレーズ、Guitar小林壱誓の柔らかいコーラス、バンドを支える最年少、穴見真吾のBass Line。

同級生3人と幼馴染で組まれ、お互いを知り尽くした4人がそれぞれの個性を出し合い、様々なカラーバリエーションを持った楽曲を表現し続けている。

2013年 SCHOOL OF LOCK × Sonymusic 10代音楽フェス「閃光ライオット」準グランプリを獲得。

またね / 緑黄色社会

Bitter / 緑黄色社会

アウトサイダー / 緑黄色社会

Release Information

Nice to meet you

◆New Album「Nice To Meet You??」
・2017.01.11 Release

豊富なカラーバリエーションを詰め込んだ“リョクシャカサウンド”。初の全国流通盤にして2017年必聴の名盤が誕生した。

◆収録楽曲
01. またね
02. アウトサイダー
03. regret
04. Bitter
05. 丘と小さなパラダイム

Live Schedule

・2017.02.06 @ 渋谷 TSUTAYA O-CREST
・2017.02.12 @ 大阪・福島 2nd Line
・2017.02.13 @ 大阪・阿倍野 ROCK TOWN【w/ ロザリーナ / 南波志帆 】
・2017.03.18 @ 渋谷 eggman【UNIDOTS presents「生 UNI 定食」】
・2017.03.19 @ 大阪・福島 2nd Line【OTOEMON FESTA 2017】
・2017.04.07 @ 名古屋・大須 ell. Fits All【ワンマンライブ】

Official Media

Official Site:https://www.ryokushaka.com/
Official Twitter:https://twitter.com/ryokushaka

 

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