塩顔イケメン、醤油顔イケメン、ソース顔イケメン、マイルドイケメン。いつの時代も次々と現れる若いイケメン男子達。けれど顔だけイケメンにそろそろ飽きた人も多いはず。今回は人を惹きつけ魅了する何かを持っているであろう、人間味のある親父達を紹介したいと思います。お気に入りの親父が見つけてみては?
「君が生きた証/Rudderless」
物語の真実を知った後で、改めてもう一度観たくなる作品。
突然の銃乱射事件で息子ジョシュを亡くした仕事人間の父親サム。
亡くなったが故に、否応なしに本来の息子と向き合わざるを得なくなった父は息子の遺した曲を手にする。知らない事だらけだったジョシュの事を、遺された曲を歌う事で分かろうとし、1人葛藤して行く父。想いが篭ったその曲は一人の青年を魅了するが・・・。
とある驚愕の真実が隠されていた。
真実がわかる前とわかった後では父親の行動、感情に対する見方が全く変わって行く本作。
息子の死と言う大きな壁にぶち当たった時、それを乗り越え昇華しようとする父親。
葛藤しながらもギターを掻き鳴らし歌う父の姿は逞しく渋く、格好良く、圧巻である。
父として一人の男として内面的な成長が描かれている本作は、
「home」を筆頭に実際に歌われる曲も魅力の1つである。
音楽と、渋くてカッコ良い親父に男性も女性も夢中になってしまう。
父親サムを演じた、ビリー・クラダップの哀愁漂う歌声も見逃せない。
「ダラス・バイヤーズクラブ/Dallas Buyers Club」
主演のマシュー・マコノヒーが渾身の演技を見せつけ見事、アカデミー賞でオスカーを手にした作品。
本作で描かれるのは、単に難病と闘う男ではなく、あくまでも、偏見・失望・そして孤独と闘い、向き合う男の姿である。
HIVに対する知識が一般的にまだ知られていない時代、ロデオボーイで女好きなロン(マシュー・マコノヒー)を含めた多くの人がHIVは同性愛者、つまりゲイのなる病気だと思っていた。
突如、医者にHIVに感染していると告げられたロンは偏見の目に晒されてしまう。生き延びるためにあらゆる手段をロンは試みながら奮闘して行く・・・。
実在した人物、ロン・ウッドルーフを基に作られた本作。
同時期に公開していたウルフ・オブ・ウォールストリートでは正反対の肌ツヤの良いイケてる男を演じていたマシュー・マコノヒーに改めて凄い俳優だと思い知らされる1作だ。
無知が故に、離れて行く仲間達。
死に対する絶望感と仲間がいなくなった事の孤独感。
そんな状況の中で出た答えは健気に余命を待つのではなく、
「俺は死なねぇ!死んでたまるか」と言った執着心だった。
今が楽しければ良い。と言うお気楽な毎日を過ごしていた過去のロン。
死と隣り合わせになった事で、ようやく生きる事への執着心が湧く。
誰のためでもなく、ただただ、自分のため。
生きる事に執着することで少しずつ、あらゆる面において変わって行くロン。
極限に陥った事で必死に生きようとする姿は【病気で可哀想な男】ではなく、むしろ男らしく恰好良くさえ見える。
生きる事、何かに必死で執着する事はただそれだけで人を魅了するのかもしれない。
渋い男、マシュー・マコノヒーがとてつもなく輝くガッツの出る作品だ。
「余命90分の男/The Angriest Man in Brooklyn」
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