透明感溢れる歌声と等身大の歌詞で注目を集める新世代のシンガーソングライター「仮谷せいら(かりやせいら)」。
今最も注目されるトラックメーカーの1人である「tofubeats」とのコラボレーション、日本を代表する女性アーティストであるYUKIに楽曲提供をしたバンド「give me wallets」のアルバム参加など、音楽ジャンルの枠を超え活躍している。
しかし、どんな場所・カテゴリにいても彼女が交わると不思議と彼女の色になるという。
その源泉を探るべく、音楽の原点や、表現していく上で大切にしていることなどを語ってもらった。
その歌声を初めて聴いたのは、トラックメーカー「tofubeats」の出世作ともいうべき『水星』という楽曲だった。
楽曲自体の素晴らしさに加え彼女の歌声も相まって、インディーズシーンで大きな話題となる。
そんな彼女の歌声の原点は小学校の頃のボーカルダンススクールに遡る。
音楽との接点
「小さな頃から歌とダンスが大好きでスクールにも通っていたんです。そのスクールの中でゴスペルだったりお芝居などもやらせていただく機会があって。その時から並行してモデルなどもやらせていただいていました。」
――その時から将来を意識していた?
「そうですね。小さい頃から将来、歌をやれたらいいなというイメージはありました。」
――その頃よく聴いていた音楽は?
「小さい頃は、SPEEDさんのような歌って踊れる人の曲を聴いたり、すごい昔のヒップホップだったりダンスの曲を聴いたり。あまり音楽に対する好き嫌いがないんですよ。おばあちゃんからはCarpentersとかを聴かせてもらったりもしていたし。今でもずっと好きなのは倉木麻衣さんですね。」
作詞作曲について
「高校1年生の時に、その時の事務所の方に『ちょっとやってみたら』と勧められて、『じゃあ、やってみます』と、初めて作詞作曲をやってみたんです。まず、やってみようと思って、ピアノもその時に初めて触って。そうしたら思いの外、周囲の方の反応が良くて、それで続けてみようと。」
――そんな二つ返事で出来るものなんですか!?
「今(当時の楽曲を)見返すと、6割7割は変なことが書いてあったりするんですけど(笑)、ただ、その中でもいくつかはいいなと思えるものがあって。『大人になる前に』という楽曲もその時(高校1年生)に書いたものなんです。」
――作詞と作曲はどちらから?
「私はずっと作詞からですね。歌詞をなんとなくAメロBメロサビと書いて、それを見ながら鼻歌で作ったり。逆に、先にメロディをいただいてそこに歌詞を書くことが苦手で。」
――作詞の時のインスピレーション先は?
「日常生活の中の自分について書くよりも、映画などを見ながら書いたりします。『RENT』や『マンマミーヤ』のようなミュージカル系の映画が好きで、そういった映画をみて思ったことを違う視点で書いてみたり、登場人物について書いたりすることが多いですね。自分のことについて書くのが実は苦手なので、恋愛系の歌詞などは小説などを参考にしたりもしています。」
仮谷せいらにとっての2014年は、上京、give me walletsとのコラボ、ライブ数の増加と、まさに激動の年になった。
上京にまつわる意外な理由
「最初は上京したくなかったんですよね。年明けに両親と話すことがあって、『ダメでもいいから1回行ってみたら?行ってみなきゃ分からないよ』って言われたんです。でもその時は『嫌だ嫌だ、行かなくていいよっ』って言ってたんですけど、やっぱりその言葉に背中を押されて。あと、4月から消費税が増税するって決まってたじゃないですか(笑)」
一同爆笑
「そんなこともあったし、まだ20歳だったので1人立ちの意味も込めて。行くなら早いほうが良いと思って、2月中には家を決めて3月には無事に上京しました。」
――上京して一番大変だったことは?
「本当に大変だったのが、カーテンの取付です(笑)元々窓が高い家だったんですけど、上京してすぐだったので家具とかが全く届いてなくて、ダンボールにバランスとって乗りながら必死に取り付けました(笑)」
「21歳」仮谷せいらと「音楽人」仮谷せいら
プライベートと仕事を「オンとオフ」で切り分けるのではなく、「ハイとロー」でこなしている仮谷せいら。そんな彼女のプライベートにも迫ってみた。
「21歳」仮谷せいら
――異性の好きなタイプ・好きなところ
「サッカーの川島選手は大好きなんですけど結婚してしまったので…でもサッカーが大好きなので日本代表の選手は好きですよ。男性の好きな仕草は…関西人だからかは分からないですけど、『ええやん精神』みたいなところが好きです。おおらかさと言うか、なんにでも対応できる懐が大きなところは、いいなと思います。」
――同性の好きなタイプ・好きなところ
「家庭的な人が好きです。例えばネイルや見た目がきれいな方よりも、料理だったり洗濯だったり、家事をしっかりこなせるような女性に憧れます。」
――最近の興味関心ゴト(音楽・本・そのほか)
「最近良く聴くのはBIRDYというアーティストです。私よりも全然年下なんですけど、邦楽だったらケツメイシさんも聴くし、倉木麻衣さん、SCANDALさんも聴きます。洋楽だったらマイケル(Michael Jackson)も。特に好き嫌いなく色々なアーティストを曲単位で聴くことが多いです。」
「本だと自己啓発本などもよく読みます。サッカー選手関係が多いんですけど、長谷部誠選手の『心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣』」や、内田篤人都選手の『僕は自分が見たことしか信じない』なども読みました。」
「音楽人」仮谷せいら
「音楽に関しては真面目かもしれないですね。結構オフの日なんかはボーっと過ごしちゃったり。やっぱり音楽に触れている時が一番楽しいので…歌っている時とか作っている時とか。だからやっぱり、そこは疎かにしたくない。あんまり…自分のこう、長所とかがないんで(笑)…みんなに自慢できるところとかがなくて。ただ、音楽はずっと続けてる…だからそこはちょっと負けず嫌いにいきたい。」
――ライブ前のゲン担ぎ
「この2年くらいはライブ前に絶対レッドブルを飲むようにしています(笑)ライブの1時間~30分位前に飲んでいます。」
――他のアーティストのコラボレーション
「元々弾き語りでライブ活動を行っていたんですが、いろんなアーティストさんと歌わせて頂く機会が増えてきて。わたし、滑舌が悪いのとブレス(息)の量が人より多いので、どの曲になっても聴きやすいように、母音の当て方は気をつけています。どんなアーティストさんとご一緒するときも、自分っぽい声の出し方にするかは気をつけています。」
最後に
――仮谷せいらの生き方・目標
「うーん…すごく単純なんですけど『嘘をつきたくない』とか。目標にしていることなどが少ないので、『楽しく』『嘘をつかずに』『人に迷惑をかけないように』(笑)」
「目標…まずは、音源(CD)を早く出したいですね。今絶賛作っている最中なんですけど、CDを出すことで周りがどうなるのか、自分がどうなるのかを実感したい。あとはライブでいろいろな場所に行ってみたいです。最近都内でやらせていただく機会が増えたんですけれども、この間群馬県に行かせていただく機会があって。だからもっといろいろな場所でライブがしたいです。」
裏表がなく真面目。しかし、インタビュー中もライブ前も彼女の周囲には笑いが絶えなかった。
いつでも、どんな場所に行っても、「仮谷せいら」の色を出してその場を魅了できる。
それは彼女自身が飾らずに、等身大であり続けるからなのではないか。
だからこそ関わる人を味方につけ、コラボレーションという形を含め、新しい音楽の可能性を創り出すことが出来る。
今後も彼女の動向に注目し、追っていきたい。
関連リンク
仮谷せいら Official Twitter
仮谷せいら Official Blog
仮谷せいら Official SoundCloud
LIVE SCHEDULE
■11/3(月)原宿STOROBE CAFÉ
w/ chinaprove / KINFOLK / MASUMI
http://www.strobe-cafe.com/harajuku/schedule/2014/11/201411031.html
■11/9(日)渋谷asia
w/ Hey Anna(from U.S.) / LLLL / Carpainter / give me wallets / Shiggy Jr. / Soleil Soleil / Tokyo Health Club / N.O.R.K. / fula / Lucky Tapes / 綿めぐみ
http://discovery.spincoaster.com/
■11/30(日)渋谷LOUNGE NEO
w/ lyrical school / ライムベリー / YOCO ORGAN / TORIENA
インタビュー Makoto Tanaka / Keisuke Minagawa
編集 Keisuke Minagawa
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