満員の横浜アリーナ。3年ぶりのツアーとなる今回のTour「Wonder Future」。
セットは、白いビルのように見える10本の塔。
1曲目からどうしても目が惹かれるプロジェクションマッピングは、
視覚でも楽しめる・立体的に楽しめるような、
このLIVEへのこだわりを感じさせ、序盤から期待感に胸が躍る。
Vo&Gt後藤氏は、「ホールなど、もっと小さな箱で演奏するためのセット」と話していたが、
アリーナでも圧倒的な存在感と飽きさせない演出はさすがである。
勿論、演奏自体も素晴らしい。
ファンが待った新作のアルバム「Wonder Future」から選曲された楽曲が序盤は続く。
中盤は落ち着かせるスロウなナンバーが続き、
心地良い浮遊感に包まれる会場。
15曲目の「今を生きて」で、楽曲の明るさと
背景のプロジェクションマッピングが虹色にメンバーを染め、会場は一体感に包まれる。
アジカンのLIVEは、”音楽に酔って観客が踊る” という言葉が正しい。
首にタオルを巻いている若いリスナーは、無邪気に踊り、
大人となった昔ながらのリスナーは、アジカンの4つ打ち、8ビートが心地よく
独特の世界観を楽しめる。
そして、左右に肩を揺らし心地良い音楽に浸るのだ。
特質すべきは、過去のシングル曲のカップリング等を
披露してくれたところではないだろうか。
Vo&Gt後藤氏は、「何の曲やってんだよと思うと思うけど」とMCで話す程であった。
ギターのGt喜多氏がメインでボーカルを務める曲も演奏された。
意外性と新鮮さでファンを魅了してきた。
突如始まった幻想的なアンコール
アンコールは幻想的であり、ファンの一体感が現れていた。
https://youtu.be/8zXw2bWVLw4
観客がみんな自分のスマートフォンのライト機能を使って、
それを左右に振ることでペンライトのように使用した。
誰から始まったわけでなく、準備していたわけでなく唐突に始まった。
これだけ一体感のあるのも珍しいのではないだろうか。
鳴り止まないアンコールの中、披露されたのは5曲。
往年の名曲ばかりだ。
アルバム「君繋ぎファイブエム」に名を連ねる、未来の破片など
ノリの良いナンバーで、観客はジャンプし地面が波打っていた。
ASIAN KUNG-FU GENERATIONは、来年で結成20周年。
年を経ても、メンバー紹介で見せたメンバーへの信頼と仲の良さ。
「Wonder Future」で見せた原点回帰。
厚みを増したアジカンから今後も目が離せない。
ライブのセットリスト
1. Easter_復活祭
2. Littele Lennon_小さなレノン
3. Winner and Loser_勝者と配車
4. Catepiller_芋虫
5. N2
6. センスレス
7. リライト
8. Planet of The Apes_猿の惑星
9. ナイトダイビング
10. Eternal Sunshine_永遠の陽光
11. 或る街の群青
12. 青空と黒い猫
13. Prisoner in a Frame_額の中の囚人
14. 深呼吸
15. 今を生きて
16. 嘘とワンダーランド
17. シーサイドスリーピング
18. Signal on the Street_街頭のシグナル
19. 新世紀のラブソング
20. ネオテニー
21. トラベログ
22. スタンダード
23. Wonder Future_ワンダーフューチャー
En ソラニン
En 未来の破片
En 迷子犬と雨のビート
En 君という花
En Opera Glasses
編集後記
LIVE全体、特にプロジェクションの演出、演奏する曲目、
セットリストへのこだわりなど「新鮮さ」を感じた。
Vo&Gt後藤氏の最近の活動はウェブマガジン「The Future Times」、
Dr.伊地知氏はインストバンド「PHONO TONES」。
それぞれのメンバーが、音楽のみに留まらない幅広い活動をしており、
今回のツアーではそういう活動の中で得た感性が注ぎ込まれていたのではないだろうか。
筆者が中学生であった10年前からアジアンカンフージェネレーションに感じていた
「押し付けがましくないロック」が年を経るごとに進化し、
「大人が突っ張らなくてよい、踊れて音楽に浸れる貴重なバンド」になっていると私は思っている。
現在のいわゆる4つ打ち,8ビートのロックの原点は、アジカンにあるのではないか。
今回のライブを見て、やはり日本のロックにはアジカンが必要だと感じられた。
10年前、中学、高校生と青春時代に毎日のように聴いていた
「君繋ぎファイブエム」が、10年を経て、今後どのように感じるようになるのか楽しみである。
Information
ASIAN KUNG-FU GENERATION:http://www.asiankung-fu.com/
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