【コラム】東京とファッション – 堀内太郎 (TARO HORIUCHI)×中島敏子(GINZA編集長)を再考する

スクリーンショット 2014-11-05 0.48.19

2014年11月2日(日)に、IMA CONCEPT STOREで『東京とファッション』というテーマで、ウィメンズ向けのファッションブランド『TARO HORIUCHI』の堀内太郎氏と元BRUTUS編集者、relax元副編集長、現GINZA編集長中島敏子氏のトークショーがあり、東京のこれまでとこれからをファッションを軸に再考した。

スクリーンショット 2014-11-05 0.48.19

『TARO HORIUCHI』の堀内太郎氏とは

1982年生まれ。14歳で渡英。2007年、アントワープ王立美術アカデミー主席卒業。イタリアのコンペティションITSにてディーゼル賞を受賞。DIESELカプセルコレクションを13カ国にて発表。21_21 DESIGN SIGHT at 東京ミッドタウン『ヨーロッパで出会った新人達』展参加。2008年、渡仏後の2010年春夏にてTARO HORIUCHIを立ち上げる。2012年、第30回毎日ファッション大賞新人賞・資生堂奨励賞受賞。

GINZA編集長 中島敏子氏とは

『GINZA』編集長。マガジンハウス社のカルチャー/ライフスタイル誌『BRUTUS』の編集者、『relax』の副編集長を経て、2011年4月よりリニューアルした『GINZA』の編集長を務める。The Business of Fashion(BoF)にて『BoF 500: The People Shaping Global Fashion Industry in 2014 (2014年度世界のファッション業界を形成する500人)』に選ばれる。アート、サブカルチャーを盛り込んだ独自の視点を持つ誌面づくりは、年代を越えてファッション好きな女性達から多くの支持を集めている。

TARO HORIUCHIの堀内氏の見る東京

堀内氏の欧州での経験と東京をみる視点

堀内氏は両親が美術家ということもあり、元々美術的な思考があった。14歳から渡英し、ファッション業界の哲学家との異名がある『マルタンマルジェラ』に陶酔し、アントワープ王立美術アカデミーに入学を決める。お金もなかったことから、年間約10万円程度の学費ということもあり、王立のアントワープを選択したそうだ。

アントワープはベルギーという比較的小国にあるにも関わらずこれほどまでにファッション業界で有名なのは、隣国のフランスよりに勝るために “哲学” を意識して、根拠のあるものを制作することに関して強いから。面白いのは、アントワープに来る人たちの背景は、元々心理学や建築学を専攻している人が多く、これも根拠を元に、ある種の”構築”をしていく学問だからなのだろうか。

Raf_Simons_by_Jil_Sander

出典:http://gqjapan.jp/more/people/20120425/raf-simons

また、在学中に、RAF SIMONS(ラフ シモンズ)のコレクションの募集に参加し、近くでショーを見て学んだ。
彼は、現在クリスチャンディオールのアーティスティックディレクターを務めているが、元々パンクからインスパイアされた作品を創っていたのだが、そこから変化する柔軟性が彼の凄さではないだろうか、と堀内氏は述べていた。

堀内氏は、イギリスに居る頃から、東京のカルチャーに興味があり、中島氏が副編集長を務めていた『relax』を東京に帰って来る度に購入し、客観的な視点での東京カルチャーを楽しんでいた。そこでUNDER COVERが初めてコレクションに出た時の模様などを知って、東京からのブランドというより海外のブランドのような意識があったそうだ。

東京に帰ってきてから、自分自身の制作をどのように見ているかという問いには『自由』という言葉をキーワードとしている。確かに、世界からみた日本という点で裏原宿のファッションから始まり、原宿が独特のファッションを形成している辺りを見ても『自由』というキーワードが当てはまるのではないだろうか。

ファッションの自由の一つのエピソード

『UES』というアパレルショップがあって、そこは非常に独創的な接客スタイルで、店員が最初にビデオをお客さんに見させて教育する。UESにはそれで初めて中に入れるのだが、裏原宿にお店を構える、有名ブランド『STUSSY』にもそういった都市伝説がある。

STUSSYはNYから来て、当時爆発的な人気を誇っていたため、従来の “もてなすような接客” をしなくてもブランドとして売れてしまうところから接客をやめたようだ。これは意図的というわけではなく、販売員レベルでそうしていたのかもしれないが。中島氏は、日本の男性はナイーブだからそういった所も良かったのではないだろうかと分析しているがある種の “自由” という一つのエピソードだ。

堀内氏の制作に関しての考え方

アントワープに入って、”コンセプチュアル” なものを学び、制作に当っては好きな生地など特にこだわりはなく、毎回 “何を表現したいか” を軸にしている。

堀内氏は、『対比なものの組み合わせ』というコンセプトを掲げている。日本的なものをデザインに落とし込みつつも、未来感との対比など様々な物同士の対比を楽しむのが上手い。この辺が『自由』ということなのではないだろうか。

ヴァーサス トーキョー(VERSUS TOKYO)での、TARO HORIUCHIの2015年春夏コレクション時に見せた、鉄塔と花のルックは非常に新しい。

スクリーンショット 2014-11-05 8.02.03

RDV#002

続いては、中島氏の東京を見る視点

ファッションの最新記事

関連するコンテンツ