【音楽】Blurが12年ぶりのニューアルバムを発表。現在も音楽シーンの先頭でアーティストに影響を与えるBlurに迫る

突如イギリスのロックバンド、Blurが12年ぶりのニューアルバム「The Magic Whip」を発表し、新曲「Go Out」のリリック・ビデオを公開した。

昨年のデーモン・アルバーンのソロアルバム「Everyday Robots」でも中国音楽への傾倒を見せていたが、今回はPVにもろにその傾向が見える。

シングルとしては2009年の再結成後、2010年に「Fool’s Day」、2012年に「Under the Westway」、「The Puritan」を発表していたが、今回の「The Magic Whip」は2003年の「Think Tank」以来12年ぶり、4人体制でのアルバムとしては1999年の「13」以来16年ぶりのニューアルバムとなる。
このアルバムは2013年のツアー中5日間の休暇ができ、香港でレコーディングされたようだ。

出典:http://www.blur.co.uk/

「The Magic Whip」
1. Lonesome Street
2. New World Towers
3. Go Out
4. Ice Cream Man
5. Thought I Was A Spaceman
6. I Broadcast
7. My Terracotta Heart
8. There Are Too Many Of Us
9. Ghost Ship
10. Pyongyang
11. Ong Ong
12. Mirrorball

海外での発売は2015年4月27日。(日本での発売日は未定)

Blurとは

blur

出典:http://www.blur.co.uk/

Blurはデーモン・アルバーン、グレアム・コクソン、アレックス・ジェームス、デイヴ・ロウントゥリーの4人からなるイギリスを代表するロック・バンド。

デーモン・アルバーン(Vo)

Blurのフロントマンであり、ほとんどの作詞・作曲を担当。ロック界屈指の鬼才で、今の音楽シーンの最先端に立ち、実験的で革新的な作品を発表し続けるトラックメイカーである。Blurの他にも、Gorillazのフロントマン、レッチリのフリーなどとRocket Juice & The Moonを結成しアルバムも発売したり、ソロでも活動している。
かなりのイケメンなので、若い頃はロック界のジュード・ロウなどと表現されることもあった。

グレアム・コクソン(Gt)

メガネをかけながらの演奏が印象的で、激しい曲ではメガネが外れることもしばしば。メガネをかけ直すところがチャーミングである。
アメリカのインディー/オルタナティブ・ロックの影響を受けたプレイスタイルある。ソロとしても活動しており、ポール・ウェラーやRADIOHEADのジョニー・グリーンウッドなどの英国ロック界のさまざまなギタリストからリスペクトも厚い。

アレックス・ジェームス(Ba)

ルックスもさることながら、アレックスのベースの演奏スタイルは男であってもセクシーと感じるだろう。ソロでの活動はしておらず、他のアーティストととのコラボレーションなどで参加している。
Blur活動休止状態となった2003年ごろからは酪農家としても活躍。
また、モデルとして、GQマガジン2011年度ベスト・ドレッサーの8位に選出されたりもし、マルチに活動している。

デイヴ・ロウントゥリー(Dr)

ドラムマシンやパーカッションなどのリズム楽器全般も扱う。Blur最年長のメンバーでもある。
かつてプログラマであった経験を生かし、1995年初期Blurの公式ウェブサイトを制作も担当した。
2002年に労働党のメンバーとなり2012年9月に事務弁護士資格を取得。現在は弁護士、政治活動も行っている。

〜デビューからブリットポップムーブメント〜

ロックとダンスを融合させたマンチェスタームーブメントの終焉期に1stアルバム「Leisure」を発表。イギリスでは一定の評価を受けたアルバムとなったが、ロック界では世界的にNIRVANAを中心としてグラウンジが大ブームだった。そんな中Blurのポップなミュージックは、アメリカなどではあまり受けいられなかった。

She’s So High
1991年リリースの1stアルバム「Leisure」収録
メジャー・デビュー曲であり、初めて作られた曲。当時流行していたシューゲイザーなどの影響を受けた作品。

Sing
1991年リリースの1stアルバム「Leisure」収録
後に1996年公開の映画「トレインスポッティング」のサントラにも収録された作品。
どこか物悲しいピアノのサウンドと呟きのような震えるボーカルが印象的。このバンドがブリットポップを牽引するとはだれも思っていなかったのではと思わせる。

失敗に終わったアメリカツアーから帰国したBlurはアメリカ的なモノを全て排除し、イギリス、ロンドンを全面に押し出し、イギリスのロックミュージックの伝統に則って2ndアルバム「Modern Life Is Rubbish」を発表。このアルバムがなかったらブリットポップムーブメントは起こらなかったのではないかという歴史的に重要なアルバムの1枚である。

For Tomorrow
1993年リリースの2ndアルバム「Modern Life Is Rubbish」収録
哀愁感漂うメロディーと歌詞が最高にクールな1曲。

1993年ごろから英国で反動的な「愛国的音楽」のムーブメントが徐々に起きつつあり、そんな中リリースした3rdアルバム「Parklife」が大ヒット。バンド初のアルバム全英1位を獲得した。「ブリットポップ」は世界を巻き込んだムーブメントとなり、Blurはブリットポップムーブメントの代表的なバンドとなる。

Girls & Boys
1994年リリースの3rdアルバム「Parklife」収録。
ブリットポップ全盛期に生まれたのが名曲が「Girls & Boys」。ブリットポップを象徴するついつい踊りたくなってしまう曲だ。

Parklife
1994年リリースの3rdアルバム「Parklife」収録。
俳優フィル・ダニエルズをゲスト・ボーカルに迎えている。この曲もブリットポップを象徴する曲である。ライブでのフィル・ダニエルズとデーモン・アルバーンの絡みも見ていて面白い。「パークライフ」と叫びたくなる。

1995年、4thアルバム「The Great Escape」をリリース。この頃からマスコミからOasisとの対立が煽られ、Blur vs Oasisという構図が出来あがってしまう。そのような状況下、Oasisの「Morning Glory」が世界的に大ヒットしたこともあり、「The Great Escape」は当時あまり注目されない作品となってしまったが、「Universal」や「Charmless Man」、「Country House」など名曲が多い。

Country House
Oasisの「Roll with It」とのシングル対決することとなった1曲。結果はBlurのこの曲が全英1位となり勝利をおさめることに。

Universal
ストリングスを取り入れた壮大なバラード曲。
Universalという架空の抗鬱剤によって人々の心が飼いなさられているという近未来についての曲なのだが、とても優しいイントロから入るこの曲は、聞いていてどこか心が穏やかになる。

Charmless Man
Charmless Manとは魅力のない男という意味。
“Na na na na na na na na naaa” という部分が印象的な曲だが、是非歌詞にも注目してほしい。

〜ブリットポップムーブメントの終焉〜⇒

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