MV、クラブイベント、プラネタリウム。音楽とカルチャーの融合に挑む『サカナクション』が切り開く未来とは?

サカナクション アーティスト写真

サカナクション アーティスト写真

新たな音楽の可能性を追究し続ける5人組バンド、『サカナクション』。「魚」と「アクション」という言葉を組み合わせた造語をバンド名にした彼らは2005年に結成され、2007年にアルバム「GO TO THE FUTURE」でメジャーデビュー。電子音を基調としたサウンドと文学性の高い歌詞、そして唯一無二のライブパフォーマンスで多くのファンを獲得している。
数々のタイアップ、SMAPへの楽曲提供、2013年末には紅白歌合戦に初出場とコアな音楽好きでない人にもその名は広く知れ渡っている。

2015年1月にはベース担当である草刈愛美の妊娠、出産によりライブ活動を控えることを発表していたが、予定通り2015年10月から始まった全国アリーナ・ホールツアーにてライブ活動を再開した。

そんなアリーナホールツアーに先駆けて、9月には人気漫画の実写映画作品「バクマン。」の主題歌として起用された「新宝島」をリリース。合わせて「バクマン。」の監督である大根仁監督からのラブコールを受け、バンドにとって初の試みとなった同映画の劇伴も担当している。

新宝島

「新宝島」をリリースした自主レーベル、NF Recordsは音楽、アート、ファッションといったカルチャー全般を融合した新しい音楽表現のあり方を追究する発信地を作りたい、といった思いから設立された。この「新しい音楽表現のあり方の追究」という姿勢は、これまでのバンドの活動を見ても強く感じられる。

ギター、ボーカル担当であり、サカナクションの中心人物である山口一郎は言う。「音楽には完成が無い。満たすために作り続ける」と。消費されて終わってしまう音楽ではなく、音楽の未来を探していく彼らが「革新的」とされる理由はどこにあるのだろうか。

それはサウンド面はもちろん、音楽を越えた世界へと挑み続けているからだ。

視覚的なアプローチが可能にした「見せる音」

サカナクション・ライブ

出典:http://www.rockmatsuri.com/2014/report/09.html

サカナクションはレーザーやオイルアートによる演出で、ライブ会場に幻想的な世界観を作り上げる。

2010年の武道館公演では、深海を漂う視点が空に向かって雨が降り注ぐ映像に変わり、幕を開けた。先日行われた5年ぶりの武道館公演では和太鼓奏者とのセッションを披露するなど、他のバンドでは見られないようなパフォーマンスで常に私たちを驚かせる。

また、ラップトップを前に5人が横一列に並ぶ演奏スタイルや、生放送でのMVの再現とサカナクションの斬新な演出は大きな注目を集めている。サカナクションは、「見せる力」を持っているのだ。

サカナクションといえば、MVへのこだわりも見逃せない。芸術性が高く、時にユーモアもある映像作品は様々な賞に選出されている。「アルクアラウンド」、「バッハの旋律を夜に聴いたせいです。」の2作品はそれぞれSPACE SHOWER Music Video Awardsにおいて年間最優秀賞を受賞。「アルクアラウンド」はその他、第14回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門で優秀賞を受賞している。

アルクアラウンド

歌詞が立体のオブジェとなっている風景を追うこの作品はCGや合成を使用せず、5分以上の長回しに挑戦し1本のMVが1カットで作られている。メロディと歌詞の出現がシンクロするタイミングの絶妙さ、MVの結末まで見ると初めて分かる繰り返し観たくなるシカケは必見である。

バッハの旋律を夜に聴いたせいです。

「ねじれていく世界」をモチーフとしたこの作品は、人形と踊る無機質なシーン、女優の麻生久美子とのラブシーンの対比が印象に残る。芸術性が高い一方で、独特の雰囲気が奇妙でもあるためにこちらも中毒性を持つ作品である。

サカナクションはライブでの演出、映像作品から視覚的なアプローチに挑み続けている。暗い会場を水中や宇宙に錯覚させるほどのパフォーマンス。つい何度も見返したくなるMV。これらは彼らだからこそできるのだと思う。

「聴く音・見せる音」から「体感する音」へ

彼らほど「音」にこだわっているアーティストもそういない。以前に発売したDVDには「バイノーラル録音」という特別な方法で録音したライブ映像を収録している。これは人間の頭の形をしたダミーヘッドと呼ばれる模型の耳部分に内蔵したマイクで録音を行う方法であり、臨場感のある音声が再現できる。言わばバイノーラル録音によるライブ映像をヘッドフォンやイヤフォンで聴くことで、ライブ会場で実際に演奏を聴いている状況になる。

「SAKANAQUARIUM 2013 sakanaction」トレーラー Vol.2

ライブDVD発売に際して、解説する動画まで製作されている。後半にはバイノーラル録音された演奏を観ることができるため、是非ヘッドフォンやイヤフォンを使って体感して欲しい。

更に過去にはライブ会場に200本以上ものスピーカーを設置し、6.1chサラウンドの音響を実現させた。広い会場のどこであっても音が割れたりずれて届くことが無く、音に包まれる感覚で演奏を楽しめた公演は参加した人々から絶賛されている。

ただ演奏するだけでなく、その音をリスナーに届ける点でも妥協しないのがサカナクションだ。

様々なカルチャーと結びつけることで生まれる「音楽の可能性」の追求

NF ロゴ

出典:https://www.facebook.com/sakanaction.nf?fref=nf

2015年7月には、サカナクションが主催するオーガナイズ・パーティー、「NIGHT FISHING」が開催された。多彩なクリエイターが集う、音楽とアートの複合的クラブイベント。DJ講座やMV監督とのトークセッション、ワークショップと、普段のライブとは一味違った内容になっている。「音楽を楽しむ空間で音楽に関わる仕事のことも知ってもらいたい」、「それによってもっと音楽の楽しみが増えると僕らは考えています」とコメントしており、継続的に行っていくことも検討されている。

プラネタリウム

出典:http://www.planetarium.konicaminolta.jp/manten/renewal2015/

そして12月1日からは池袋、サンシャインシティ内にあるプラネタリウム「コニカミノルタプラネタリウム”満天” in Sunshine City」のリニューアル記念としてサカナクションとのコラボレーションプログラムが上映される。

「サカナクション グッドナイト・プラネタリウム」とのタイトルで、ナレーションは山口一郎が担当。サカナクションの楽曲と最新鋭の光学式プラネタリウムの融合が楽しめる。「夜」をモチーフとした曲が多い彼らだけに、どのような空間が広がるのか期待したい。

サカナクションはこれからも音楽の未来に向かっていくだろう。新たな音楽の可能性を示すため、そのきっかけとなるNFを開催した。他のバンドよりもずっと先を見据えている彼らが導くのは、明るい音楽の未来なのだと私は思う。

ライブ活動を再開しての全国アリーナツアーは来年3月まで続く。是非、進化し続ける彼らの姿をその目で見て、音を体感して欲しい。

Live Schedule

SAKANAQUARIUM2015-2016 ”NF Records launch tour”

2015年11月13日(金) 福岡 福岡サンパレス
2015年11月14日(土) 福岡 福岡サンパレス
2015年11月21日(土) 北海道 小樽市民会館
2015年11月23日(月・祝) 北海道 函館市民会館 大ホール
2015年11月28日(土) 岡山 倉敷市民会館
2015年11月29日(日) 広島 広島文化学園HBGホール(広島市文化交流会館)
2015年12月4日(金) 愛媛 松山市民会館 大ホール
2015年12月6日(日) 香川 サンポートホール高松 大ホール
2015年12月13日(日) 滋賀 びわ湖ホール 大ホール
2015年12月19日(土) 石川 本多の森のホール
2015年12月20日(日) 新潟 新潟県民会館
2016年1月10日(日) 宮城 仙台サンプラザホール
2016年1月11日(月・祝)宮城 仙台サンプラザホール
2016年1月16日(土) 福島 郡山市民文化センター 大ホール
2016年1月17日(日) 岩手 盛岡市民文化ホール 大ホール
2016年1月29日(金) 長崎 ブリックホール 大ホール
2016年1月31日(日) 鹿児島 鹿児島市民文化ホール第一
2016年2月2日(火) 愛知 名古屋国際会議場センチュリーホール
2016年2月11日(木・祝) 沖縄 コンベンション劇場
2016年2月24日(水) 東京 東京国際フォーラムホールA
2016年2月27日(土) 大阪 オリックス劇場
2016年2月28日(日) 大阪 オリックス劇場
2016年3月1日(火) 神奈川 神奈川県民ホール
2016年3月4日(金) 北海道 札幌ニトリ文化ホール
2016年3月5日(土) 北海道 札幌ニトリ文化ホール

■チケット一般発売日
11月13日~1月31日開催公演:2015年10月4日
2月2日~3月5日開催公演:2015年12月5日

関連リンク

サカナクション Official Site:http://sakanaction.jp

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