【インタビュー】カフカが歩む道。可能性を広げたロックバンドの新たな境地

昨年、「再生」を冠するアルバム『Rebirth』をリリースした4人組ロックバンド「カフカ」。それまでとは明らかに変化したサウンドは、バンドとしてのポテンシャルをまざまざと見せつけ全てのリスナーに対し新たな可能性を明示した。そんな彼らが、配信限定シングル『NIGHT CIRCUS』を4/15にリリース。2015年、いよいよ動き出した彼らに、改めてカフカとして歩む道を聞いた。

バンドとしての変化

――前作『Reberth』リリース以降、バンドとして変化はありましたか

カネコ「あのアルバムから、エレクトロをすごく取り入れて、何でも出来るんだなって実感ができて。逆に今までカフカっていうバンド像を自分たちだけで決めつけて、やっちゃいけないものとしていろんなことがあった中で、そのしがらみが無くなったっていうか…逆にこの4人がやれば何でもカフカになるんだなっていう自信がついたっていうのがあって。『NIGHT CIRCUS』もエレクトロがなかったら、そもそもエレクトロという発想がなければがなければ出来ない楽曲で。『Rebirth』を作ったからこそ辿りつけたなと。」

――確かに『NIGHT CIRCUS』はエレクトロサウンドが全面に押し出されています

カネコ「『NIGHT CIRCUS』は自分たちが定期的に開催しているイベント※のテーマ曲として創りたいっていう思いがあって。その中で曲を聴きながらみんなに踊ってほしくて。自分らって今まで踊ってほしいとか、何かをしてほしいと思って曲を創ったことがなかったんですよ」

※自主企画「NIGHT CIRCUS」:「奇妙な音楽のサーカス」というテーマで2014年からスタート

カネコ「エレクトロを聴きだして、クラブミュージックとかを聴くようになって、やっぱり自分がこう、踊りたいっていう気持ちが出てくるし、みんなにも踊ってほしいという気持ちが出てきた。そんな中で、自分たちには出来ないのかなってふと思って…出来るなと。それは多分『Rebirth』があったし、『Rebirth』の頃はエレクトロを取り入れていたんだけど、”踊る” って言うより ”聴ける” ってほうが近くて。もう少し”躍動的”というか”肉体感”というか”うねり”みたいなものを打ち出したかったですね」

――前作で話していたエレクトロのあたたかみを更に発展させた?

カネコ「そうですね。もう人間と機械の境目をそこまで気にしなくていいのかなって。ひと昔前だったら割と気になっちゃってたんですけど。あったかい打ち込みの音と冷たい打ち込みの音がわかってきたというか。前回、ミックスを森川裕之さん(organic stereo)、マスタリングを益子樹さん(ROVO)にやってもらって、はじめてあったかいエレクトリックというものを知って。そこで手に入れたもの…血の通ったエレクトリックのバランスは今回もちゃんと生きていますね」

■Inside of Snowdome

――そんな中でも『NIGHT CIRCUS』以外の2楽曲は明らかにベクトルが違って、異なるジャンルの3曲になっていますよね?

ヨシミ「違いますね、明らかに。そういう風になるように選んだ感じです」

――その中で今回の3曲に決まった経緯をぜひ聞かせてください

カネコ「やっぱり『NIGHT CIRCUS』があって、まずそれを中心に考えて、レコーディングのプリプロで幾つか楽曲がある中でこの3曲に落ち着きましたね」

――個人的には『痛いよ』という楽曲に今までとは全く違うカフカを感じました

ヨシミ「だったらそれは ”してやったり” ですね(笑)」

――一同爆笑

カネコ「『痛いよ』に関しては、自分たち的には80年代とか90年代の【アーバン感】とか【シティ感】を取り入れた楽曲で。”カフカってこんなこともやるんだ”っていう風に思っていただけると。自分たちが今聴いているような楽曲が多分一番反映された曲になっていますね」

ヨシミ「やってる側からするとそんなに大きく変えてるつもりはないんですけどね。でも、馴染んでるからなのかな」

カネコ「でも、賛否両論は本当にあるだろうなと思って。『NIGHT CIRCUS』の後に『痛いよ』を聴いたら”おっ”って思うと思うんですけど。でもそこから『メーテルリンク~』が入って”やっぱり忘れてないんだな”と」

――まさにその通りです

カネコ「やっぱり定期的に『メーテルリンク~』みたいな曲は、出ちゃうというか、多分基盤だからこそだと思うんですけど。新しいことにチャレンジする反動というか、逆に対になって出てこないと、僕らもバンドとしてはやっていけないなと。だから本当に『メーテルリンク~』があるからこそ、『NIGHT CIRCUS』みたいな新しい楽曲にもチャレンジできるし。逆にああいう曲が生み出せなくなったら、僕らの根本というか幹みたいなものが無くなっちゃうから、そこは今回(リリース楽曲に)入れたいなと」

■シリウスと老人

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